たくさんの拍手と歓声に包まれて、「ライモンダ」が無事幕を降ろしました。上演の少ない演目に関わらず、たくさんの方が興味を持ってくださり、ご来場いただきまして、そのドラマと音楽を存分に楽しんでいただけました。
本当にありがとうございました。
Ballet Company West Japan
山本康介版「ライモンダ」
世界初演
素晴らしい作品がここ神戸で誕生しました。
豊富な知識、経験、洗練されたセンス、そして何より周到な準備。全てにおいてこうなるべくしてこうなったと納得する作品。この5年間、本当にたくさんの財産をカンパニーに残して下さって、またこの「ライモンダ」をウエストジャパンで初演させてもらえたこと、心から感謝しています。
ここから、この山本康介版「ライモンダ」が世界へ羽ばたいていってほしい、後世に残ってほしいと強く思います。
日本からこれだけのものを発信できることが、日本で活動するものとしてとても嬉しいですし、実現させて下さった康介さんはじめ、舞台作りをして下さったスタッフの皆様、関わってくださった全ての皆様に深く深く感謝しております。
指揮者の冨田実里さん
演奏の神戸フィルハーモニックの皆様
美しいグラズノフの音楽が、目の前で鳴った時の胸の震えは忘れることができません。奏でられる音色から、音楽家の皆さんもこの「ライモンダ」を愛して、演奏してくださっていることが伝わってきて、そこに呼応して踊る喜び。
本当に、本当に、幸せな共演でした。
厚地康雄さん
魅力がすぎるアブデラフマンを本当にありがとうございました。踊りだけではなく、稽古に向き合う全ての姿勢がプロ中のプロ。たくさんの学びと影響をウエストジャパンに残してくださいました。
観客の皆様も一様に、「ライモンダ、なぜ彼ではダメなの?」の思いだったかと。そこがカンパニーが「ライモンダ」で伝えたいことの一部で、
異教徒や人種の違いで結婚することが許されない、そんな考えにも及ばない時代だったのです。
それが自由になった現代なのに、なぜ違いを認め合い尊重し合うことができないのか。
アブデラフマンの悲痛な最後に”話し合いではダメだったのか?”皆が思ったと思います。
しかし、この時代はダメだったのです。
でも今は?
観客に心底それを思わせたのは厚地さんだったからこそです。
本当に本当にありがとうございました。
そしてドリス夫人を務めてくださった仙頭由貴さん。
ウィーン国立歌劇場バレエ団、新国立劇場バレエ団での経験はやはり別格の存在感と説得力でした。アレクサンドル2世を務めてくださった、デイビッド・デ・ピューリーさんも。
2人の並びは、中世を納得させる、山本さんがずっとおっしゃっていた、いつ戦争がきても、命が奪われてもおかしくないような時代に生きたどっしり地に足がついた人たちの佇まいで、多くを語らずとも舞台の背景を全て伝えてくださっていました。
最後になりましたが、3ヶ月に渡ってクリエーションに励んだウエストジャパンのダンサーたち。
ゼロから作り上げるという、とても貴重な経験を得て、ダンサーがどんどん想像力豊かになっていく様子に感動しましたし、各々の課題としっかり向き合い、心身共に強くなっていく過程にも、未来を感じ興奮します。
3ヶ月間、本当にありがとう!これからも良い舞台作りを共にしていきましょう!
今回は、5回記念ということで、少し長くなりましたが、これまでの蓄積をまた次へ繋げていけるよう活動してまいりますので、これからもウエストジャパンにご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。
11月29日
Ballet Company West Japan
代表 瀬島五月